ニシの生活

ギター、DIY、読書日記

高級ギター論争: 安物ギターでも高級ギターと同じ音?比較動画を見た感想

ギターに興味がある人だったら必ず安いギターと高いギター、何が違うのかと疑問を持ったことがあると思います。
ちなみに私は10万円以上のギターを弾いたことがありません。私の演奏動画で使用しているのはBlitzという日本の廉価帯のブランドのギターで、定価で2万円ほどのものです。
なので、高いギターがどんなものかは想像することしかできませんでした。

ところが先日、その答えのヒントになるような面白い動画を見つけました。
誰もが憧れる30万円のGibsonのギターと、日本の激安ブランドPLAYTECHの1万5千円のギターの比較動画です。

この動画はYouTubeにてB'zの演奏動画を多数アップし、ギター教室の開催もしているテラーニさんによるものです。

とりあえず私の個人的な感想を言うと、音の違いはほぼ無いなと思いました。30万円出してこれだけしか音の違いが無かったら、自分はガッカリします。
ただ、この動画に書き込まれたいろんなコメントを見ていくと、高いギターの安いギターの違いについて考えさせられました。
コメントを紹介しながら、ギターの良し悪しについて考えてみたいと思います。

反応①「Gibsonのほうが音がいい」

なんとなくGibsonのほうが音に厚みがある、というコメントが多いですね。
私も最初聴いたときは2曲目のBrotherhoodはわずかに音が太いな、と感じました。
しかし実はこの動画、テラーニさんの実験的な試みにより、なんとPLAYTECHとGibsonの音を編集で入れ替えているそうです。
ということはPLAYTECHのほうをいいと思っていたことになります。
まんまと騙されたというか、人がいかに先入観に惑わされているかを実感させられましたね。

反応②「ほとんど音の違いがない」

これは正直なコメントだなと思います。
おそらくあまりギターに詳しくない人が素直に答えたら音に違いはないと答えるんじゃないかと思います。
私も2曲目以外、全体的にはほぼ音に違いがないなと感じました。
また、なんとなく違いがあることはわかるけど、どちらがいい音かどうかはわからないというコメントも結構ありました。

反応③「PLAYTECHのほうが音がいい?」

疑問を感じながらも、PLAYTECHのほうからGibsonの音がするとコメントをする人も少数ながらいました。
この人たちは本物というか、「本当にGibsonの音がわかる人」ということですね。(そのままですが)
PLAYTECHとGibsonの音を入れ替えているというトリックにも惑わされずに真実を言い当てているということは、信憑性がありますね。

昔、何かの論文で真空管ギターアンプトランジスタアンプの音の聴き分けをテストしたというものを読んだ記憶がありますが、何十人のうち1人だけ正確に聴き分けることができたという結果だったのを覚えています。
ギターそのものとギターアンプではまた少し違うかもしれませんが、本当に耳のいい人も少数ながら実在するという実感を強めましたね。

反応④「高級ギターは弾きやすさが違う」

音の違いというより、弾きやすさや長持ちさが違うというコメントも多くありました。
このようなコメントをするということは暗に音にはあまり差がないというのを認めているのかもしれません。

ただ実際、音以外の面についてはテラーニさんもPLAYTECHはネックが太かったこと、チューニングの調整が難しかったことなどをコメントしています。
チューニングが安定するというのは楽器演奏者にとっては重要なことですね。弾きやすさというのも好みに左右されることではありますが、安いギターではできないような細かい調整が高級ギターでは仕上げられているということを考えるとやはりこれも大きなメリットの一つですね。

反応⑤「高級ギターは大きな音で鳴らしたときに違いが出る」

この手のコメントは悪い言い方をすると動画の比較条件に難癖をつけている、ともとれるかもしれません。
この動画はマルチエフェクターラインアウトを録音したもの。
この条件で違いがわからないので別の条件をつけて逃げているようにも見えてしまいます。

似たようなコメントで「安物ギターはバンドで合わせると使い物にならない」というものもありました。
安物ギターが好きな自分にとっては少し脅しのように感じてしまいました。

ただ、私は高級ギターを実際に体感したことがないので、実際のところはわかりません。。
いつかGibsonを買うなり借りるなりチャンスがあればスタジオに行って大音量で今のBlitzと弾き比べしてみたいですね。

無理に高級ギターにこだわる必要はない

この動画とコメントを見て、「やっぱりな」と思うこともありましたし、「そうなのか!」と思うこともありました。

高級ギターの良い点は、
・安心感があり、高品質であること
・ブランド感があり、ロマンがあること
・弾きやすく、長持ちすること
・大きな音を出したときに真価を発揮する(かもしれない)
・わかる人にはわかる本物の音
といったことが挙げられます。

ただ、自宅での練習や趣味の範疇では無理に高級ギターにこだわる必要はないな、と感じました。
高いギターを買わないといけないという強迫観念にとらわれて一歩を踏み出せなかったり、安いギターを使っている人を見下したりするのは楽しみから遠ざかっている気がします。

また、エレキギターの音はギター本体だけで決まるものではなく、エフェクター、アンプ、スピーカー、録音をするならマイクも、といったように色んな要素で決まります。
小さな違いにこだわるよりは、大きく音を変える他の要素に注目したほうが、自分の理想の音に近づくことができるんじゃないかと思います。